小さな死

最近気に入っている眠り方について。
身体全体の「かたち」を意識するということ。
本来眠りの前というのは、
本日の出来事を思い出す、または考察する、妄想する、というようなことを行う。
すなわち、意識が「のうみそ」に向かっている。
自分の頭の中の情景に心が出かけている状態が多い(他人はどうだか知らないが)。
その内に向いた意識を、外、すなわち身体に集中をさせる。
頭からつまさきまで、全身の「かたち」を意識する。
自分がどのような形をした物体で、布団の上にいるのかということを意識する。
それが次第に眠くなると、「かたち」がだんだん「溶けて」ゆく。
自分の「かたち」を認識できないようになってくる。
布団、あるいは世界と同一化してしまう。
形のないかたちが出来上がっていく。
かたちのないわたし。
眠りは死の予行練習だと言う。
実態のない、幽霊のようなものになっていくことを実感できる。