怖い俳句
- 作者: 倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: 新書
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選んだ俳句について、やさしく解説してくれる。
解説というか、「こうだったら怖いかもな〜」という感じで、
俳句のおもしろさを伝えてくれる大変良い本だった。
俳句を好きになるきっかけのような本になってほしいとのことだし
小学生とかが読めば良いと思う。
また、個人的に俳句に興味を持ち始めているところなので
大変ためになった。
俳句というのは、かなりの可能性がある。
夢を表現するのにこんなに良いものは無い。
また、4コマに似ている。
4コマよりも苦労しそうだが。
新書は普段ほとんど読まないが
黄色が心地良い。
と思ったら
鈴木成一デザイン室だった。
以下は気に入った俳句、自分用のメモ。。
おそろしきひとつ家もなしけふの月
堀麦水稲妻に道聞く女はだしかな
泉鏡花囀りやピアノの上の薄埃
島村元蟻の死や指紋渦巻く指の上
日野草城草二本だけ生えてゐる 時間
冨澤赤黄男半円をかきおそろしくなりぬ
流れつくこんぶに何が書いてあるか
皿嗅げば皿のにおいがするばかり
阿部青鞋蠅を追ひ死ぬまで見せぬ句を刻む
秋元不死男遺品あり岩波文庫「安部一族」
幽霊の手ばかり見えてあそびおり
鈴木六林男葱を切るうしろに廊下つづきけり
下村槐太びしょぬれのKが還ってきた月夜
真鍋呉男百年後のいま真っ白な電車が来る
小川双々子不安な世代完全な形で死ぬ電球
上月章六月の皿に盛りたる人の顔
栗林千津ホントに死ヌトキハデンワヲカケマセン
津田清子底なしの匣に葬る百日草
寺井文子冬の夕焼けさびしい指が生えた
河本緑石誰か見ています三角形の中
時実新子頭上には不吉な紙が揺れている
石部明門ごとに刃物が立っておじぎせり
広瀬ちえみ三角形のどの角からも死が匂う
樋口由紀子音もなく轢かれつづける汝が影よ
沼尻巳津子全身が尾の憑きものに昆布飾れ
大岡頌司ありもせぬ盲学校が燃えてゐる
欇津幸彦フレームを出入りするたび少し死ぬ
永末恵子府中の猫はこれは嘘だがぜんぶ片目
前島篤志