ずっと私が見たかった白いテレビ

えんそく史上圧倒的最大単独公演 「狂い咲きハルマゲドン」

10月13日@赤坂BLITZ

朝、外を出たら雨が降っていた。雨どころか、霧雨が降っていて、おあつらえ向きすぎて笑った。

「ウシノシタ団」は、世界を終わらせるために活動をしていたわけで
今日がそのおしまいってことは、世界は終わるってことなんだけど


ウシノシタ団でやったすべてのSEが混ぜ合わさっていた。
私はやっぱり、宇宙貴族のソレに、一番思い入れがある。

ぶうさんは最初緊張とか、かたい顔が多くて、それでもその中で笑顔でやろうとする顔が、私は、うん、ってなった。
クラオカさんのフライングVにびっくりした。
初披露だったようですね、普段ギターに興味がないからよくわかんないんだけど、やっぱりなんか全然違う音がするって思った。
それ以外でも、いろんな曲のいろんなとこで、いろんな音が聴こえてきて楽しかった。語彙力。

ゴードンの2周目の前にクラオカさんが電車の発射音みたいなフレーズを弾いていた?
ハコのスタッフが、ぐるぐる回った会場をみて、ぽかーんとしていたのが印象深かった。なんか、すげえものみてる、って顔してた。

ゴリラの丘だったっけ?違うかも
どれかの曲でぶうさんが、
一瞬顔がぎゅってなって、またすぐ戻ったときがあった。
泣いてしまうようなそんな表情を、ほんとに一瞬だけしていた。

回転ヘドバンあたりで、ぶうさんがお立ち台で何かしてたんだけど、
あとでMCで言うには、リミッター極限まで出そうと思って?
「お立ち台を持ち上げてみようとしてたけどガムテープで止めてて全然!持ち上がらなかった!」だそうです。

ぶうさんがほんとこれ良いお立ち台!って褒めてた。



茶番
ぶうさんが、街をさまよって、「この街はおかしい、みんな人形みたいになっちまったんだ」ってうろうろしていた。
ぶつかったじょいさんには「大丈夫、よくあることですから」と同じフレーズを2度言われてしまう
ティッシュ配りをするクラオカさんは、ひたすらに、ティッシュを配りながら「よろしくお願いしまーす!……ありがとうございまーす!」を延々と繰り返していて、めちゃおっかなかった。
ぶうさんがミドさんに電話して、はやく来いと促した。
ぶう「なあ、おかしんだよ、みんなおかしな人形になっちまったみたいで…」
ミド「ああそうなの?まあ、でも、それ人それぞれだから。…それより今日飲むのあそこで良い?」
ぶう「ああ良かった、お前は大丈夫だ!いいよいいよ、あそこでいいよ!早く行こうよ」
ミド「ああ、まあでもそれ、人それぞれだから」
って、こっちも身代わり人形にされてしまっていた。
ミドさんってこういうときの間とか言い回しが、一番リアルっぽくてうまいよね。


茶番2
おそらく樹海?山奥で、ウロウロしている“少女”ことじょいさん。
薄着でぶるぶる震えている。
少し離れたところにウシノシタ団の3人
総統「おっあんなところに丁度良く死に場所を探してさまようメンヘラがいるぞ!季節感無視してシースルーだし!」
あのメンヘラ女を仲間にしよう、と言う。
仲間に勧誘して来いということで、トカゲパンチは、「任せてくださいよ!自分最近の流行り知ってるんで!」と言ってスマートフォンを取り出す。
スマホ片手にじょいさんに近寄る怪人トカゲパンチ。
パンチ「おっかしいなあ~この辺にあると思ったんだけどなあ~」
メンヘラ「あの、こんなところで、どうされたんですか…?」
パンチ「いやあ~ここに珍しいポケモンがいるって…」
総統「おい!!ちょっと古いよ!こんなところに伝説のポケモンはいないよ!」と言ってパンチを引っ張って戻す
メンヘラ「GOですか?!」と反応してくれてたので笑った。
次は「お前ナンパするの慣れてるだろ?」とクラオカ参謀。
「俺はね~慣れてますよ~」と言って車でメンヘラ女にブーンと駆け寄るクラオカ参謀。
思い出せないのだけど、車で走っていくというような歌を歌ってじょいさんの周りをぐるぐるぐるぐる周り始める
総統が「おい!!」と言って参謀の腕をひっぱって戻ってくる
どうやらかわむらりゅういちの曲らしい。
参謀が戻っていったのにかかわらず、メンヘラ女ことじょいさんが続きを歌っていた笑
「おい!DVDに出来ないからやめろよ!!しかもあれスレイブだからちょっと食いついてんじゃねーかよ!!」
二人が駄目なので総統が、「俺はね、聞くよ~、相談とか聞きに行くよ~」と自ら行ってくることに。
総統「あ~こんにちは、こんなところで、何か、お困りですか?」
じょ「いや、困ってないです、全然!困ってないです!」
総統「いやあこんなところに居てなにかお悩みでもあるんでしょう?」
じょ「いや!困って無いですから!ホント!来ないでください!臭いです!大丈夫です!!」
と全拒否し、メンヘラ女は上手へと去っていった。

下手から肩幅レディが登場。
肩幅「あなたたちいつまでちんたら1人ずつ仲間にしてんのよ!一気によ、一気に!」
総統「ああそうだった、もうすぐ世界は終わるんだった!」
歌を高らかと歌って、全員を一気に仲間にするという。
お前たち準備はしてきたか?と総統
みんな「シーン」
で、総統に何かを言われるとだるそうに「ハッ!」と敬礼するんだけど
3人そろわないで順番に「ハッ!」「ハッ!」「ハッ!」ってタイミングずらしてやってたのが面白かった。
総統「きーりさーめに傘もなくー♪セイッ!」
みんな「シーン」
総統「おい‼!本番だろ!!ちゃんと歌えよ!!」
トカゲ「いや、ハッ!のくだりまだやるのかなーって思って…」

この辺うろ覚え
楽器を持って定位置に着くとき、
頭がいたーい!って総統閣下が言ったんだっけ、
あれだ、ロキソニン!って言ってた
じょ「あ、私持ってますよ」
総統「メンヘラアピールやめい!」
っていう下りがあった。


天獄への十三階段
素晴らしい演奏と、叫び。歌うというよりは叫び。
ステージの上で、楽器隊も楽器を弾きながら“叫んで”いた。
「霧雨に傘もなく取り残された」と歌う会場、そして、急な暗転。
どうやら停電したらしい。
「霧雨に傘もなく取り残された」と、しばらく止まずに皆高らかと“イイコ”は歌い続けていた。
そして、
ざわつく会場の中で、誰からともなく「モッシュ棒」を光らせて、その伝播したピンク色の光が、客席を明るく照らしていた。
えー!とか、かわいそうとか、やばいとか、ざわざわしていた。
ああ、コレいたずらだ!って、私は、胸がどきどきしていた。
総統閣下は、世界を大停電させる大きないたずらをやってのけたのだ。
暗闇の中で笑っちゃった。
気付かないみんなは、がやがやして、その中で私は、こういうことをやってのける総統閣下にニヤついてて、そして感動していた。
えんそくは、SFだった。
これは「宇宙戦争」だ。

「ずっと私が見たかった白いテレビ」
真っ白になったスクリーンの前で、
“この日”のために練習してきた最後のニュース原稿を、総統閣下が読み終える。
「ケモノたちは安楽死した」と世界に向かって、指を差しながら、やんちゃな笑顔で、高らかと歌っていた。

子供みたいに眠りについて、我々は、同じ夢を見続ける
アリス時のSEが流れ始める。
そして、AとBを交互に歌っていて、ごっちゃごちゃになってた。
EAST公演で使用した巨大なアリスの垂れ幕もおりてきていた。

そして、みんな死んだ。

ここがお前の死に場所だ、と総統閣下に存分に煽られる。
そんなもんじゃないだろうと、「頭」を要求する。
戦いにおける手柄っていうのは、“頭”の数で決まるものだ。
どれだけの“頭”を持って帰れるかで、その戦いが決まるのだ。
総統閣下は、うごめく頭の数をみて、ニヤニヤとしていたように思う。
私は頭を振っているから、まったくみえなかったけれど。

少女戦闘員Mで、総統閣下が確か、「役割をまっとうしろ」というようなことをおっしゃっていた。
今日この日に、“戦闘員”としての役割を果たさないでどうする、とそんなようなニュアンスに、私は受け取った。
「この時までに雨に打たれ」てきたのだから。
勝どきは今あげるべきだった。
気付けば雨は粉雪に変わっていて、「目覚めたかい?」なんて言ってバカみたいに笑っていた。

狂い咲く季節が止めど無くあふれだした。
「狂い咲く春のはじめ方」というタイトル、に関する逸話を私は知らないけれどとにかく、だいすきな曲だなあと思う。

ぶうさんの中で、「あの丘」っていうのは「花が咲いて」いるものだっていつぞや言っていた。
それは、みんなの咲く手かもしれない、わかんないけど、って、言っていた。
まあなんか、そんな感じだった。

宇宙大天使土曜日で本編は終了。
最もふさわしかった。
今日やった曲は、やっぱり、この日にふさわしい曲ばっかりで、この日のために作られたような気がしちゃうくらいに、
そういう感じで組み込まれたこの日のリスト、すごく良かった。

流れるハコブネの音楽の中で、
総統閣下は、敬礼をして去っていった。
“総統閣下”としての役割を終えたのだ、と思って急に胸がいっぱいになった。
私は、敬礼しながら“ウシノシタ団”を見送った。

カラ笑いのボクラの歌を高らかに歌い、
なりたかった自分になってくれと強く願う「ボク」の歌が届けば、
気付いたら、もう一人の「ボク」の世界は終わっている。

アンコールはマキナ、最後のえんそく。
マキナはやるかな、って思ってたけど、このタイミングかあと思った。
マキナを踊る会場の腕の上がり方がへとへとしていた。でも私はなんか元気だったから、とても上手に踊れたと思う。

最後のえんそくは、もうよく覚えてない。

「世界終わっちゃったね~。扉たぶん開かないよ、きっと雪で開かないから。もうここに泊まるしかないね!」
「終わったけど、きっとまた日常に戻ったら元通りになってしまうと思うけれど、一度壊せたものは、何度でも壊せると思いますから。またえんそくのライヴでぶっ壊しに来てください。」

“生き溺れても、また春に会いましょう。”



私は、観測者でありたい。
なんというか、比べることは出来ない
すべてのライヴと、どれが良かったかと言われてもどうだろう、としか言えない。
感想を聞かれても、ああまあそれは、人それぞれだから、としか言えない。
“良いライヴ”っていうのは、どこまでいっても個人の感想でしかないと思う。
でも、この日のライヴは、この日にしかできなくて、そして、赤坂でしか出来ないことだと思うから、
たのしいなあ、って思いました。

書ききれないくらいの良いこと、そうじゃないこと、
これまで培ってきた思いの深さとか、
たくさんあるけれど、全部書くのは野暮ってものです。
とりあえず、お疲れさまでした。