世界一可哀想な悲劇のヒロインなら腐る程居る

GOEMON RECORDS Presents「This is a ダメ人間」

12月24日@高田馬場AREA

・えんそく
「U.F.Oが来るまで」といううたは、初めて聴いたときからピンとしか来ないうたで
なぜこんなにもすきなのかというと
私は私の「物語」に「主人公」がいないということを知っていたからだ。
人生は映画ではなく、マンガでもなく、一冊の本では無い。
生きる理由も無いけど死ぬ理由も無いから生きていたに過ぎない。
「俺をもっとカリスマにしてくれ、
俺が世界をひっくり返すためのサクラをやってくれ」
私の、私の物語は、えんそくという物語で、王様はぶうさんで、
「サクラ」だと彼がいうたびに私は私の存在意義を知ることができるのだ。
私が待っていたものは、“主人公”だったのだ。
だから、ミカタだと言われると生きていても良いのだと思うのだ。
モブとして、101人目のお客として、動員の1人として、その時だけは1人の人間としての存在を許される。
そう、かわいそうな人間なんだ、私はかわいそうな人間だろ?
でもそれで良かったんだ、自分が主人公になる必要はどこにも無かった。
もう辛いことなんて千年先まで何一つ無い。
私は自分が主人公になることが嫌で嫌で仕方無くて、それを回避したかったんだ、
やる気のある誰かの何かを支えてあげたくて行動してみても、でもいつも違かった、
「なんでそういう脇役みたいなことするの」、って言われたことがあって、それの何がいけないのか逆に分からなかった。
でも脇役にもなれなかった。誰も主人公になってくれなかった。
あいつも駄目だった、こいつも駄目だった、だいたいダメだった。
世界のどこにもわたしは居ないということを知っていて、なお、この苦しさを「さかさま」にしてくれたのがえんそくだ。

遠征のアウェー戦で心身共に疲れていたぶうさんは、
「俺は情緒不安定なんだ!だからおまえたちは俺よりも情緒不安定になれ、むしろ情緒が安定しているやつはこんなとこにいないだろ!」とおっしゃっていた。
こういうことを、ブログやMCで平気で放つ主人公はどうだ、他に居ないだろう。
自慢なんだ。

アルルカンの「ダメ人間」をカバーしていた。
拳ヘドバンのところは、ダーメダメダメダメ人間、って言いながら駄目ジャンプにアレンジされており、
あげく最後の最後は歌詞がまるっきり筋少の踊るダメ人間だった。
ダメ人間はダメ人間でもおれたちのダメ人間はこっちだった。
ミホさんと見合って歓喜した。

MCの中で「背伸びして見た現実」という歌詞を入れ込んで来て、さすがである。
いつもそういうサービス精神をしてくれるところが良い。いつもだよいつも。拾えてないとこもあると思うけどいつも絶対相手に尊敬したやり方でMCをもしてくださっている。サービスのかたまりだよ。
大丈夫、カリスマだよ!

今日のイルキメラ、
箱から出ない~、って最初のとこが妙にセクシーだった。

ぶうさんが丁寧に歌うから私も丁寧に振りをした。
良い場所で観たと思う。思ったよりは前に来れたんだけどまあ大体、こころのめと書いて心眼で補っていたんですけど、
周りのダメ人間率の多さが逆に良くて、スクワットをするだけで笑ってくれるし、
バイクにまたがるとなにこれ?!ってビックリしてくれる。
しゃがむとヤバイって言いながら一緒にやってくれる。
笑顔で手を繋いでいただいた。
今日は良い日だ、隣にいらしたダメ人間の方、すごく楽しそうだった。
えんそくのライヴ行くって言ってくださった。「是非来てください!」




アルルカン
暁君の声はきれいだ
良い声してる。聴きやすい。
2曲目の指を差す曲と、MCの次の次の曲、振りとか無い静かめな曲が好みだったけどセトリわからんよなあ。

そういえば今日クリスマスイブというやつだったなと思って。すっかり忘れてたんですけど
そういう日にここを選んでくれてありがとうって。
「2016年12月24日、ここにいるという証明を、俺にわかりやすく見せてくれ」という煽りが印象的だった。
園児?戦闘員?どっち?って聞かれて、イイコと言うと「どっちでもない!知ってる、イーコでしょ、イイコ、イイコかあ、正反対だね」っていうのが良かった。
「戦闘員は頭のネジの外し方をよく知っているからダメ人間にもみせてやれ」、と言われてうれしかった。
すごくうれしかった。
ちゃんと信頼関係がある良いライヴだと思った。全部預けて良いタイプのそれだった。

戦闘員Mを歌ってくださった。
やる前の煽りが、ひっくり返せとかそういうようなことを言ってくださっていて
というかMをカバーするバンド、アルルカンしか後にも先にもいないと思う!
でもすごく合ってたと思う。歌詞飛んでたけどそこも含めてなんか良かったよ
台詞もばっちし言ってくださった。私は「戦闘員」だから余計がんばった。
イーってするたび暁君さんがうれしそうに眺めてくれるのが、ありがとうって思った。
ギターの音が良い瞬間があったけどどこだか忘れた。

「ちゃんと吐き出せ。吐き出した分吸い込め」と最後の方の曲でおっしゃっていて、
すごいことを言うものだなと思った。
ライヴというものが「何」であるかよく知っている者の発言だと思った。
彼もぶうさんと少し似たタイプなんだろう。

「情緒不安定でもいい、誰に迷惑かけてもいい、生きてりゃ良い。死ななけりゃあ良い。」
何の根拠無くそう言えるのはやはり彼もまた主人公だからであろう。
そういう人と戦えるのがとてもうれしかった。
すごく有意義な時間だった。