半分人間だもの

仕事が落ち着いてきたのでこのあたりで有給を取ってくれと言われ
今日は急きょお休みすることにした。
何も無い平日は何をするのが良いかというと、美術館へ行くのが正解である。
というわけで美術館へ行った。
疲れた。
平日なので人がほぼいなくて良かったが常設は特に外国人観光客が多く、写真を撮るという行為に夢中で、何も絵をみようともしていなくて寂しくなった。
そういう人は、インターネットや本で観ていれば良いのに、なぜわざわざ足を運ぶのか分からない。
絵の本質を観ようとしないことを嘆いているのではない、非合理的な行動をわざわざする意味がわからなくて不思議だと思う。
画像で良いなら画像でみたほうが理にかなっているんじゃないのと思う。
しかし、写真という証拠を取って、彼らはアリバイづくりをしているのだ。
自分が、日本でこの絵の前に立ったという証拠を作るためにわざわざ訪れる。
みんな何かの罪を背負っているに違いない。

美術館で実際に絵をみるのがすきで
それはなぜかと言うと、みたときの感動が確実に違うからだ。
だが、美術館でもインターネットで拾った画像でも、同じように見えるという人は居て、
そういう人はそういう価値観でまったくかまわなくて、だけど理解はできない。
でも、それが悪いことだとも私には言えない。
そういうものを、すきかきらいかで言ったら大きらいだと思うが、良いとか悪いとか、私に判断できることではないように思う。
価値観は一つではなくて、常に、誰のものでもないのだ。
それを分からない人が多い、価値観が1つしかない人があまりにも多い。
それをみていると疲れる。
私は誰のことも否定も肯定もしていない。
していないのに、他人からは、常に私が何かを否定しているように見えるらしい。
うるせえ


最近は少し気分がマシになってきたように思う
しかし、だいじょうぶ、と言葉にしてしまうとたちまち大丈夫でなくなるので、言葉にしてはいけない。
十分に気を張っている必要はあると思う。
朝起きるたびに絶望で吐きたくなるのは治らないが
それはもう別に、どうでもいい。
ようするに大丈夫ではない。
毎朝着たい服が見当たらなくて非常にこまる。
知らない音楽が聴きたいので何かいろいろCDを買った。
だが、頭痛が痛くて聴けない
毎日電気グルーヴを聴いてしまう。


福沢一郎展「このどうしようもない世界を笑いとばせ」@東京国立近代美術館

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このタイトルめちゃくちゃダサいがどうにかならなかったのか?
「牛」がすきなのでそれを観に行ったがやはり牛は良かった。
その辺の絵はすきだが戦争以降が特におもしろくなくて非常に退屈した。
同じ人の絵かな?ってなった。
最初の方の「くだらなさ」は微笑ましいという感じで容認できるが、あとの方の「おもしろくなさ」は本当にただおもしろくなかった。
個人の感想です。

以前板橋区立美術館の展示で観たときはわからなかったがこうしてたくさん並んでいると
「牛」だけが何か筆の動きが全然ちがくて、なんでだろう、あの絵だけめちゃくちゃ良いんだよな。
ふしぶしで穴の開いた牛、非常に存在として儚いのに、牛は牛でしかなく、画面のすべてで訴えてくる感じが良い。
洗練されすぎないというか、ぱきっとしすぎない所も良いのだろう。
これをフィーチャーした展示をやっていた板橋は非常にセンスが良かった。
ピンク色が綺麗に使える作家がすきだから、福沢は良い。
ピンク色はシュルレアリスムの色だなと思う。
福沢の絵は、常によく晴れた日の日差しをいっぱいに浴びているようなところが、おもしろいと思う。


「MOMATコレクション」は大体が相変わらずという感じだが
春なので春めいていて良かった。
東京国立近代美術館は、所蔵が多すぎていつも同じとは限らないから、観たい絵が必ず観れるわけではない。
北脇昇は2点だけあった。
中西夏之があったのでこれだけでも来た価値があった!うれしい!中西さんは最高!
本当すごいうれしい。中西さんの作品はなんかもうギラギラしてて足元にも及ばなくて何回みてもハッとする感じがして、だいすきだな。
画像や本で見たってだめで、こうして、自分の目で観れることが喜びになる。
私は、自分には絶対に描けない絵画がすきだ。どうしたらこんな風になるのかさっぱりわからないというのがすきだ。
あと杉全直の「轍」もあってうれしかった。いつ観れるかわからんのでうれしい。
この絵も、ピンク色だな、と思う。
あとは、河野通勢の「好子像」がおかしかった。
おかしいな、なんなんだろうあれは。背景というか全体だけども、特に背景の書き込み意味わからんしひとけが多いし画面には昆虫のように人間が張り付いていて、「好子」はお世辞にも美人ともいえず、胸元の飾りもおかしくて、なんとも奇妙で大変良かった。
遠くからみても「変」とすぐわかるけど近くでじっとり観ないと、何が変なのかがわからないという変な絵だ。