あらゆる世界の終わり方を
貞子vs伽椰子
監督 白石晃士
とても良かったです。
ネタバレなど気にする方は読まないでください。
これは映画館でみたいと思って、映画館という空間に久々に行った。
映画館で見て非常に良かったです。正解でした。本当は4Dで観たかったが4Dは平日しか無いみたいです。
他人がどこに驚き、また笑うのかが知りたかった。空気感が欲しかった。
隣の女性2人組がなかなか良いリアクションをしていて、それがとても良かった。
伽椰子さんがやっと出てきたというときに、「キター!」と言っていたのが非常に良かった。
とても楽しんで笑いながら見ていたようだが、驚くところにはちゃんとビクッとしていたのが良かった。
そういう空気が感じられて、映画館で見る価値がとてもあった。
私は、人が何に恐怖するのかに興味がある。
映画をみて怖いという感情をほぼ抱かないので、とても興味がある。
ユリに対してモリシゲが「お前は絶対にビデオをみるな」と言っていて、
理由が「生き証人が居なくなる」というので、それがとても良かった。
モリシゲはクレイジーだが、この映画の中で最もクレイジーなのは有里である。
次々と人が死んで行き、今度は自分の番だというのにかかわらず、冷静に他人の家でお茶など入れるような女は頭がおかしいだろ。
また、人類の犠牲になることをすんなり受け入れたのは正義感なんかではなく気でも狂っているのだとしか思えない。
死の間際にだけ初めて涙が一つこぼれたその彼女の人間性に非常に興味がある。
その涙は誰も救われないと悟った涙だったのか、これでみんなが助かると思っての涙だったのか。
モリシゲの無駄死に、非常にアツイですよね。
貞子も見れずに無駄に死んでいったのがとても良かった。
モリシゲの変形した顔も良かった。
彼は独自に呪いに打ち勝つ方法を考えていたのだがそれはどんな方法だったのだろう。
霊能者のシーン、非常に白石的だしすきだ。
また、隣にいた女性らはこのシーンあたりでかなり笑っていて、なるほどと思った。
貞子の邪魔をするやつはみんな殺されるのでとてもわくわくした。
ケイゾウとタマオ、非常に良いキャラクターですよね。
安藤君を選んだところも正解だと思う。
この2人組の二次創作がいくつかRTで流れてきたが、確かに非常に描きたくなる絵面してます。
ケイゾウが背中を空中で引っ張って貞子を呼びだす描写が良かった。
玉城の表情がすき
あと学校での彼女は髪の毛がすとんとストレートで、アイロンがんばって当てた感あって
家では髪がくるんとしているのが良かった。
玉城は玉城でしか無いなと思った。役名すら忘れたわ。
あと、白石君の描く家族の感じがすごくすきなんだよね、あのわざとらしさがすごーくすき。
田中美里で正解。
呪いの家に入ったいじめられっ子が律儀に自分で扉を閉めたところが良かった。
呪いの家よりもいじめのほうが怖いのだ。
としおに会って気を大きくしたのか知らんがいじめっこに対して石を投げつけるのがすごくとても良かった。
化け物には化け物をぶつけるというその理にかなった理論
これはコワすぎでも工藤が実践していますよね。
白石監督は映像美が非常に、なんというかすごく下手で、だから力技でみせてくる感じがすき。
押切蓮介のマンガで、暴力によってお化けを何とかしようとするあのニューウェーヴ感と同じ。
また、白石君の文脈にはクトゥルーの血も混じっているのが良いんですよね
この夢のような対決を、この時代に実現できるのは白石君しかいない。
ロマンがある。
YOUTUBEに流した無意味さも良かった。
タマオが「貞子の呪いは糸のようにすべてつながっている」と言って
ケイゾウが「ということはユリに取り付いた貞子を何とかしたらパンデミックのように広がってすべて消えるのかもな」というシーンすきだ。
そのあとYOUTUBEのシーンは特に何も無かったのも良かった。
救いよう無いじゃないですかYOUTUBEで呪いのビデオ流すって。ネットに呪いのビデオを流すというのとても現代的であるし、それって非常に興味がある、また我々が見たいものだからうれしいって思った。でもマジで無意味だったのでそこも良かった。
世界は終わってしまうんだ、という気がしてとてもわくわくした。
白石君は常に規模が大きいのです。素敵です。
後ろ向きの小学生の後頭部に俊雄の顔が出てくるのも良かったですね。
私は呪怨は初代のやつしか見てないけど
呪いの家の再現度を初代と比べて見てみたいなーと思った。
大きなテレビをガラガラ引いて呪われた家に入っていく美人二人の絵面が良い
血みどろの伽椰子さんに対して、真っ白な綺麗なドレスを着ている貞子の感じがとてもすき
井戸が出てきたのもアツかった!井戸の使い方がとても良かった。
さすが白石というシーンのひとつだな。
結果として貞子の形が残ったのも良かった。貞子は絵面としてやっぱり非常に強すぎるし、
伽椰子さんは伽椰子さんで、絶対的に「あの動き」が最高ですもの。
ケイゾウの顔をなでるタマオのシーンもベタに最高で良かった。
初代呪いのビデオは一週間以内だったが、2日以内となっているところも良かった。
呪いのビデオが雑いとこも良かった。
初代呪いのビデオに勝る映像を作ることは誰にもできないと思う。
だからそこは別に挑戦しなくて良いと思う。
気のせいか分からないが、貞子など出るシーンで最も冷房が強くなっていたと感じた。
調節しているのだとしたらとても良いですね。
最後に流れるせいきまつの歌もとても良かったですね。
あの劇場内に流れる空気のバカバカしさが良かった。
ていうかもう貞子vs伽椰子というその事実だけですでにおなかいっぱいですしそれを白石晃士が撮るという時点で私はもうなんでも良いです。
良かったです。
まっさらにただ 忘れさせてよ
死の通告状と新たな日々の招待状。
すべてを忘れる方法を探しています。
目を閉じて開けたときにぼんやりするときの感じ
上書き保存では意味が無くて、完全に忘れ去る方法を探しています。
無いなら作れば良いじゃない。
ボクたちはなんだかすべて忘れてしまうならば、問題の無いボクたちじゃないか。
強くある必要は無い、
一人同士のボクラだから。
今の私は、17日まで生きていて良い。生きていても良いのだ。
その先いっぱい予定があっても、やはり17日まで、生きていても良いという気持ちで生きている。
とても大事な日だ。
死は平等だが、では眠りはどうか、平等か?
死なないでくれと他人にばかり呪うように祈っているけれどそれは届いているのかよくわからない。
私には、死ぬまで呪いを送り続けるしかもう残されていないというのに。
祈りつくすほど人生を生きていないから私には呪いの残量がまだまだたくさんある。
私はどこか遠くからやって来た。しかも随分疲れている。どうして誰も待っていてくれなかったのだろう。私はここでも独りきりなのだ。私のいる場所は無い。そしてこれから、行く場所にも。
— LSDボット (@LSD_bot) 2016年7月7日
夢
透明の壁。端っ子。竹藪。
「人」というものの進化の過程、人間が出来上がるまでの工程、
剥製の「赤ちゃん」のようなものが透明の壁にずらりと順番に並んでいる。
たくさんの動かない羊
生きているのかわからない
双子の羊 鋭い目つき。くっついて奇形の双子の羊は、とても縁起の良いものらしいと通行人から聞く。
ここのヌシみたいなものらしい。
進化の「工程3」では、白い陶器のような、広めの容器に綺麗な水がたまっていて
そこから人間がどのように「出来上がる」かを「体験」できる。
水の中から「物体」をすくいあげて、それを包帯でぐるぐると覆う。
ぐるぐると覆われた肌色の物体は、5分たった頃にはもう動き出していて、
両手で抱えられるくらいの小さかった大きさのそれは、
「5分後」にはもう大きくなり、「人」と同じ大きさになっている。
包帯を外すところで目が覚める。