気に入らないのも載せとこう
- 丘の影落ちる手首の記憶診る
- くらい記憶 近くで馬の声
- みな落下するように泣く五時
- 空洞を確かめる眼の手の形
- 紅の眼鏡の端にうつる顔
- たしかに、夜はいかにも遠い
- 葉の裏で秘密会議の用心棒
- 裏地からいいねボタンがほつれて採れる
- 大量の熱気、切ない漫画のコマ
- たいていは半分解ってやはり違う
- この世からすべてのコマがぬけ落ちる
- 多重塔我が先にと生えてくる
- 回転、あるいは栗きんとん
- 永遠に三角形へ帰宅する
もうこうなってくると何が俳句なのかわからない。
自分でよくわかっていないならそれは俳句ではない。