テレビの光に看取られて僕の昨日が息絶える

ファミリー劇場 presents「祝!ほん呪生誕20周年 オールナイト上映会 開催」

08月02日@テアトル新宿
honnoro20.net-broadway.com

小出 祐介(Base Ball Bear
中村 義洋監督(パート1~7 / ナレーション)
白石 晃士監督(Ver.X:3~4、The MOVIE、The MOVIE 2)
福田 陽平監督(パート16~21、71~80)
川居 尚美監督(パート76~80)

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・このイベントのために全作品見返してきてめちゃくちゃ分厚い紙の束にぎっしりメモしてきた小出
小出セレクションで20本を絞る前にまず70本に絞ったという小出

・シリーズが始まる前、「ほんとうにあった!呪いのビデオ」という名前だけで、あとはなんでも作って良いと言われた中村監督は、もらった予算をすべて使って、リングに出てくる「呪いのビデオ」みたいな映像をひたすら60分くらい作ったらめちゃめちゃに怒られたという良い話。それ観たい。
で、予算使い切っちゃったからどうにかこうにか考えて、いろいろなところからビデオかき集めて投稿という形でやろうってことにしてそれならOKがもらえたって話。

・白石監督がやたら「不謹慎ですよ!」って言ったり、
「人が死んだり失踪してる事柄をグッズにするのはちょっと違うと思うからマグカップには私の顔は掲載しないし今日もサインは一切しません!」という空気の読めないところ、嫌いじゃない。

・福田監督はこどものころからほん呪のファンだったらしい
中村監督の「タイムカプセル」に出てくる、にらんだ顔が重なる女の子の着ている服に「B」って書いてあるから、仲間内でそれのことを「B」って呼んでて「Bこええ!」って言ってたっていう良い話。
Bこええって言ってた青年がこうしてやってるの感慨深いね

・中村監督がナレーションするたびに川居さんがいつも身体のラインの出ている服を着ていてなんでなんだろう、それに目がいっちゃうよねっていう発言をしていて良かった。
ナレーションの現場にはなんで来てくれないんだよ!と言ってようやく実際に2人が対面できたのは最近だったという話


トークはそんな感じ
私は坂本回がいちばんすきだったので、福田監督になってからだんだん観なくなっちゃったんだけど
これでおもしろいのあったらまた観るかーって思ったけどまあやっぱり観なくなってからの作品はあんまし好みではないな。
小出セレクションはまあ、そうだよね、という、納得できるもので良かった。
「下水道」入っててとても良かった。下水道に歯茎が落ちてる、っていうシンプルにわけわからない、心霊映像じゃなくない?っていう素晴らしい作品なのですごくすき。
坂本回がいちばんすきだけど、いちばん面白いのは松江回だと思う。
松江監督はひとつづつに対して丁寧というか画づくりとか雰囲気がとてもすきだし、静かに大胆な感じがすき。

後半になってくるとおもしろくなくてうとうとしちゃった。
ある時期から、投稿者がビデオ回してる最中に「ソレ」に気づいてしまう系が増えてしまって、そればっかになって、私はそれがすっごくつまんなくて嫌い。
「不気味な女」は割と秀逸だけれど、全部がそれではつまらない。

福田回になってくると、心霊よりも、人って怖いよねっていうかもっと関係性とかに拘りはじめてしまって、それはそれとしておもしろいんだが肝心の「心霊映像」としての工夫やおもしろみがなくなってきて私はあんまりすきじゃない。好みじゃないってだけかもだけど。
あと、現象に対して、「ここでは昔○○があって○○で死んだ女の人がいる」みたいなあとづけの「物語」みたいなものが私はすきじゃなくて、すごい冷めるというか、「何」か分かっちゃうのって全然おもしろくないよねって思う。あと、投稿者死にすぎ。投稿者の○○さんはこの数日後事故で死亡している、というのが多すぎる。
「関係性」に対して怖さやおもしろさを私はあんまり見いだせないので、合わないんだと思う。

黒狐とか、心霊博士シリーズとかは、まあ面白いんだけど本当にただのキチガイなので慈悲の心の方が強まってしまう。
でもただキチガイっておもしろすぎるのでおもしろ~って思うんだけど
心霊博士シリーズは心霊映像自体におもしろさはないのでそこがつまらねえなと思う。つまらねえ。

会場が一丸となっておもしろシーンでどっと笑いをあげるのとか良い雰囲気ではあったが
みんな目がらんらんとしていて、「ほん呪、さいこ~!」みたいな感じが、ああ、、ってなる
もっと目の死んだ何もない人間にみててもらいたいので
馴染めねえな~と思った。そんな人はこんなイベント来ないでしょうが。
あと隣の学生のカップルが小出のファンで、ああ、、夏休みに…ってなった。
チケット即日完売したらしくて立ち見もいたっぽい。ビックリだ。
ガチ勢に混じって私なんかが最前でみてごめんねー
まあでも良いイベントだったと思う。

改めて思うのは、コンスタントに「心霊映像」を20年もお届けすることってすごいことだなあ、ということ。