回路

回路/黒沢清

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神保町シアターの特集のやつ

たしか「黒沢集大成」みたいな感じだったかなっていう、ざっくりとした記憶しかなかったけどまあ間違ってなかった。
世界のはじまりには必ず哀川翔がいるし
世界のおわりには必ず役所広司がいるのである。
それだけでもう歓喜っていう感じ。
「あの動き」は、VHSでブラウン管テレビでみたときの方が楽しかったかな。
真っ黒な、存在している「幽霊」もVHSの甘い画質でみたほうがしっくりくるかも。
しかし劇場でみれて大変良かった。
あかずの間でてくるたびに心がぴょんぴょんしてしまう。
黒沢のバス乗ってるときの表現がすき。
あとなんか当時の「インターネット」感、おもしろい。
からっぽな若者代表加藤晴彦と植木鉢をなぐりまくる空虚な小雪がひかれあうの、昔はよくわからなかったけどわかりみが深い。
小雪の役が空虚すぎて分かりみが深すぎた。深すぎるけど小雪なので、小雪だな…ってなっちゃう。
同僚の部屋の鍵やボートの鍵を探すのが得意な麻生久美子はノースリーブを着こなしていた。
でるだけで笑ってしまう役所広司は出るだけで笑ってしまうし余所で役所広司観る度に、ああ、世界は終わりだな、ってなっちゃうんだよな黒沢のせいで。
なによりも哀川翔が最高~~って思ってたんだけど
実は一番良かったのは違和感ありまくりな武田真治だった。
「君もみえるのかい?」「捕まえてごらんよ!」って軽快に幽霊の話してくる真治さいこう~~
やっぱ黒沢の幽霊感と若者に対する空虚な感覚はしっくり来まくる。
ありがとう神保町シアター