自殺

自殺

自殺

思っていたほどではなかった。
自伝として読めばまあそこそこ面白いかなとは思うが
自殺したことない人に自殺と言われてもなという気はする。
そういう意味ではこの表紙とタイトル、もったいない。良いインパクトなだけに。
しかし、インタビューが良かった。

両親に自殺された青木さんのインタビュー

次の日、親戚に警察に連れて行かれて、行方不明の捜索願いの手続きをしたんです。親戚の人たちのテンションが高くなってるっていうか、なんかすごいやる気なんですよね
―やる気?
なんか、楽しそうじゃないけど、なんなんだろう、みんなで頑張ろうみたいな。

そりゃあまあ人が2人死んでるかもしれないというのだから
尋常ではいられないだろう、それを「テンションが高い」とまとめたところが、面白いと思う。
たしかに、テンションが高いと言うのは間違いではない、そう言えるような冷静さが青木さんにはあるが
自らにも自殺願望というのが出てくる、自分は冷静のつもりだろうが
どこかで絶対に、テンションは「高く」なっているはずなのだ、ベクトルは違えども。

また、末井と関係のあったFさんが、「電波を出すのはやめて欲しい」と「何かよくわからないことを」言った、
その後しばらくしてFさんは、耳元で「ここから飛び降りろ」との指令が出てビルから飛び降りをしたそうだが
それに関する末井の感想が

ビルから飛び降りたのは、僕が発する電波が原因でなかったので少しホッとしました。

と言っていたのでこいつ本当にだめだなと思った。
この人は自分の思っている10倍くらい駄目人間だと思う。
そういう意味では、ちょいちょい楽しめる箇所のある本ではあった(悪い意味で)。