鳥少年

鳥少年 (創元推理文庫)

鳥少年 (創元推理文庫)

表紙は文庫版じゃないほうがすき。
急に、冷たく黒いものに触れる。

コンロにのせた金網の上の蛤は、ぱっくりと口を開き、潰れた眼球のような肉は醤油の泡をたて、こうばしいにおいを流していた。

あの車は、おれたちの未来よりあらわれ、おれたちの過去のなかに走り去る、小沢が言い、何、それ?
時間と空間は同一のものなんだ、と小沢。おれたちの背後にある空間は、おれたちの過去。

言葉はいらないよね。
いま「ことば」と打ったら
「こ鳥羽」と出てきた。