黒木あるじ 我妻俊樹 ふたり怪談 弐

FKBふたり怪談 弐 (竹書房文庫)

FKBふたり怪談 弐 (竹書房文庫)

「ふたり怪談」である理由がきちんとある。

我妻俊樹、すきすぎて選べない。
誰が、何をした、というのが明確にわからない。だから良い。
内田百間の進化系。

ちくわ

「だってずぶ濡れだと風邪引くから、どこからとかいちいち言ってらんないし」

近道

あんなに髪が短いのに、どうして全然顔が見えないのだろう

墓地に来ないか
迷路のようなお話

ティッシュ配り
何かが起きている。何もわからない。


黒木あるじ、やればできる子。
今回は質が高かった。美しい。
目次のタイトルの並びさえも、美しいね。

さえない雰囲気の中年男性。その輪郭が、薄墨を塗ったようにぼんやりと冥い。
燦々と照る陽射しのなかで、切り抜きを貼りつけたのではと思うくらいに彼だけが浮いている。


鍵のかかる音のストレス。

すいかづら
「母親」と「肉」の組み合わせはどうも気味が悪いものになる。
何も理解できない、狂ったわけでもない。得体の知れない母親。


しかし表紙の里見有さんの絵にはいつも感心する。
いろいろなタイプの絵すぎて、いつもカバーめくらないと誰だかわからない。
今回の絵も格好良くて好き。