桂ゆき−ある寓話 東京都現代美術館

なんだかほわんとしたほっこりしたものを想像していたのだが
もっと大胆で深くて鋭い。
黄色とピンクを上手に使える人は一番すごいと思っている。
自然のまがまがしさがある。
また、苦しみもある。
アダムとイブのシリーズが素晴らしい。
だがいちばん良かったのは赤の作品。
白い空間に赤の生き物。
案山子のような、廃品でできた、赤い生き物。
また、別の白い空間には、赤で出来た釜。
赤で出来た娘、赤の恐ろしさ。あんなに赤が強いのに
あんなに静かでおそろしいとは。

一緒にみた所蔵品展。
まあ大体いつもどおり。
山下菊二とタイガー立石が見れればそれで満足だと思っていたのだが、
思いがけず竹内公太の作品が良かった。
2011年3月13日に、震災の情報をインターネット上でひたすら観覧しまくる、
そのデスクトップの様子を録画しただけ、という作品だが、
これは今までに見たどんな震災に関する作品よりも、ずっと意味があった。
また、情報収集の様子の中で、
「怖い」という単語のみで検索をかけていた。
なるほどあの状況では「怖い」という単語は
イコール「震災」ということだ。
その状況下で、そこまで冷静な判断の出来る竹内という男がすごいと思った。
「指さし作業員」も。
あとは、ジョルジュルースの作品がでかいパネルで展示されていたが、
あれは、知らない人が見たらまったく何か分からないんじゃないかと思う。
別角度の写真も置くべきでは。

ワンダーウォール公募展も、やっていた。
これは当然みんな完成品だと思って提出しているんでしょうな。
未完成品では無いのか。
しかもひとつじゃないぞ、全部だぞ。

もういっこやってたけどまあコメントはいいでしょう。